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リズムの重さについて

リズムの重い・軽いは、今も昔も論争の種になるテーマです。
人によって定義が違うと思いますが、ドラムを演奏する上で重要なテーマなので、自分なりの定義を持つ必要があります。
今回は8ビートとその派生のビートに絞って、私なりのリズムの重さの定義を、楽曲と共に紹介します。

※この記事では、リズムの重心については言及しません。
1・3拍重心で重いリズムや、2・4拍重心で軽いリズムも存在します。
リズムの重心については、以前ブログに書いたリズムの重心をご参照下さい。

目次

私なりのリズムの重さの定義

いきなり申し訳ありませんが、定量的な定義は難しいので、どうしても感覚的な定義となってしまいます。
アタックの位置、音価の長さ、含まれるkHzの割合などで明確に定義できたらリズム論争も平和になると思うのですが、そこまで至っていません・・・。

私なりのリズムの重さの定義は以下です。
①音色に含まれる低音域が多い(ように聞こえる)ほど重くなる
②リズムの重心を強調するほど重くなる
③BPMが遅くなるほど重くなる

言葉だけでは良くわからないと思うので、以下に楽曲を紹介します。

ドラムのリズムが軽いビート

https://www.youtube.com/watch?v=T38v3-SSGcM

Chuck Berry – Johnny B Goode
①現行の8ビートとは違い、キックが小さい音量バランス。録音環境のせいかもしれませんが。
②リズムの重心は2・4拍目ですが、スネアに強いタメやアクセントがありません。
③BPM165〜170くらいでしょうか

誰しもが知っているロックンロールの名曲です。
譜面的には難しく無いので、ちょっとドラムの経験がある人なら、とりあえず演奏できると思います。
ただし、こういう曲を今の8ビートのノリで演奏すると、スネアが重たくなって軽快さ失われ、いわゆる”分かっていない人”の演奏になってしまいます。
ロックンロールのルーツであるジャズと共通する、前進感のあるビートで演奏する必要があります。

SPECIAL OTHERS – AIMS
①キックが小さく、中音域が豊かな音色。スネアのタッチも優しく、シンバル類との音量差が少ない。
②リズムの重心は1・3拍目だけど、全体的に重心が薄め。
③BPM145くらいでしょうか

こういうドラムって、コツをつかむまでは上手くノリを出せないですよね。
いわゆるロックやファンクの価値観の、パワーの有るキックやオープンリムショットは不要で、キック・スネア・各種シンバルが当価値の、ベースの上で踊るようなビートが特徴的なドラムです。
このようなリズムの最下層を担当しないドラムに慣れるには、ジャズを経験するのが近道です。
タメや力みは不要で、浮遊感のあるビートを心がけましょう。

Drake – Pain 1993 ft. Playboi Carti
①ドラムはシンプルにハットとクラップのみ。キックは無し、808ベースがキックの役割を兼任している感じです。
②リズムの重心は2・4拍目、ラップは別として、トラックは打ち込み感を強調した非人間的なビートです。
③BPM155くらいでしょうか

パートごとにリズムの重さが違い、組み合わさることで、前進感とタメを両立している楽曲です。
ラップは2・4拍目重心でタメが効いていますが、ドラムパートは軽い音色のハットとクラップのみで、打ち込み感全開の機械的なビートです。
そこに豊かな低音域と機械的なビートの808ベースが組み合わさり、全体としてスマートなリズムの楽曲になっています。

仮にですが、もしドラムが人力だったとして、ラップのタメに合わせて演奏してしまうと、この楽曲のスマートな前進感は出せないと思います。
ドラムを演奏する上で他のパートを聞くことは重要ですが、楽曲のタメと前進感を両立するためには、他のパートのノリをあえて無視する事が重要な場面もあります。

ドラムのリズムが重いビート

Led Zeppelin – Immigrant Song
①音だけでもジョンボーナムがドラムをぶっ叩いている様子が想像できるような、重い音色。
②リズムの重心は2・4拍目、バンドメンバーみんなで重心を強調するような、派手な演奏です。
③BPM115くらいから始まって、盛り上がりに合わせて走ったりタメたりといった感じです。

もうジョンボーナムを聞いていると、ロックドラムの一つの完成系だと思ってしまいます。
バンド全体の演奏としても、2・4拍重心に全員でタメを作るような、まさにロックバンドの演奏です。
この演奏については、良い意味であんまり言う事がありません。
多くの人がイメージする、重いドラムの形の一つだと思います。

King Gnu – 白日
①キックが大きめ、ハット小さめのいわゆるロックバンド的なバランス。キックは打ち込み的な音色で、各パートが派手な中でもしっかり聞こえる音。
②リズムの重心は1・3拍目、重さがエモさで変わる。
③BPM93くらい。

この曲は展開のエモさによって、バンド全体でリズムの重さが変わる所が面白いです。
リズムの重心は1・3拍目ですが、46秒くらいからのAメロ?や1回目のサビでは、メロディラインの巧みさやサラッとした歌い方などから、重心感が薄めの演奏になっています。
しかし2回目のサビ終わり(2分45秒くらい)からエモい展開になると同時に、強烈な1・3拍目重心の重さのある演奏になります。

サビ終わりの「全てを 隠してくれ/忘れさせて」だけを切り取っても、1回目のサビ終わりは4拍目で吐き捨てるように歌うのに対し、2回目のサビ終わりではレイドバックから次の1拍目に着地しています。
その後のギターソロも1・3拍目を強調した演奏で、盛り上がりますね。
こう言う演奏を聞くと、日本のロックバンドの良さを感じます。

Common – Resurrection
①そもそも楽曲の中でドラムの存在感が大きく、よく通るキックと、中音域が豊かなスネア。
②リズムの重心は2・4拍目、とにかくスネアの音量が大きい。
③BPM93くらい。

2・4拍目スネアの音量が非常に大きいですね、バンドの生ドラムだと、ここまで存在感を出せないです。
上であげた”Drake – Pain 1993 ft. Playboi Carti”と、ジャンルは同じヒップホップですが、ビートから受ける印象は大きく違います。
ドラムの展開のさせ方も、1・3拍目のキックを抜いた後、2・4拍目のスネアで戻ってくる事が多いので、より一層2・4拍目の重さが強調されます。

この曲のピアノは”Ahmad Jamal – Dolphin Dance”からサンプリングされています。
(2分43秒くらいからです。)
原曲はジャズで、2・4拍目重心なのですが、シンバル類が中心で低音域の割合が少なく、
“Common – Resurrection”と比較するとリズムの軽い前進感のある演奏です。
BPMが違い、他のパートの演奏も違うので単純な比較は出来ませんが、同じ重心でもドラムのフレーズと含まれる低音域が違えばリズムの重さは変わります。
つまり、リズムの重さと2・4拍重心とは分けて考える必要があります。

リズムの軽い・重いは優劣ではありません

個人的な感覚かもしれませんが、重いビートの方が良いとされる風潮を感じる事があります。
しかし上にあげた例のように、軽いビート・重いビート、どちらにも名曲があり、優劣をつけられるものではありません。

普段ファンクばかり叩いている人が、軽いビートを演奏する時は、体に染み付いている2・4拍目の強調を忘れる必要があります。
普段ジャズばかり叩いている人が、重いビートを演奏する時は、いつものサラサラしたビート感を忘れる必要があります。
大切なのは、自分のリズムのクセと、楽曲が求めているリズムの重さを把握する事です。

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この記事を書いた人

名古屋市在住、30代後半のドラマーです。
高校生の頃にドラムを始め、就職して、結婚して、子供が生まれても、音楽への興味が尽きません。
最近はDAWでのトラック制作や、ブログの更新が主な趣味です。
コロナ禍が終わったら、仲間達とフェスにいきたいです。

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