リズム感が悪い、って言われるとショックですよね。
自分の能力が根本的に不足しているような、どう改善すれば良いのかわからない気持ちになると思います。
リズム感が悪いという言葉には、生まれつきの能力が欠けていると錯覚し、思考を停止させてしまう力があります。
しかしリズム感が悪いと言われる原因を分析していくと、練習不足もしくは知識不足が理由であることがほとんどです。
なぜリズム感が悪いと言われるかを分析し、原因に対応した努力を行えば、リズム感を鍛えることが可能です。
そのための方法論を書いていきます。
リズム感が悪いとは、どのような状態なのか
リズム感が悪いと人に言われる時は、自分の演奏の何かが食い違っています。
原因は様々ですが、よくある例を何点か書きます。
BPMのハシり方やモタり方がジャンルと合っていない
ダンス要素のあるロックだと少々ハシっても問題無いように、ジャンルごとに許されるBPMのゆらぎ方があります。
そこが食い違うと、バンドのテンションが上がった時のBPMのゆらぎ方が統一されず、一体感の無い演奏になってしまいます。
演奏の重心がジャンルと合っていない
ファンク系と2・4拍重心がマナーであるように、ジャンルごとに定番のリズムの重心があり、そこがズレてしまうと違和感が発生します。
2・4拍重心のジャンルでリズム感が悪いと言われた場合、まずこれを疑ってみるべきかと思います。
(リズムの重心については下の記事でも詳しく書いてます、是非読んでみて下さい。)
フレーズがジャンルと合っていない
自分の叩きたい気持ちを優先して演奏したフレーズは、大抵の場合、その曲のヴァイブスを止めてしまいます。
なまじ技術力のあるプレイヤーに起こりやすい現象です。
一生懸命練習したフレーズを披露した時、周りの人が喜んでいるかどうかを観察してみて下さい。
各ジャンルごとに定番のリズムパターンやフィルインがあるので、それをリスペクトした上で、必然性のあるフレーズを演奏しましょう。
何点か例をあげましたが、全てに共通するのは、良し悪しの問題では無く、合う合わないの問題だということです。
リズム感が悪いと言われた時、あなたの演奏が絶対的に悪いのではなく、何かが食い違っているだけなのだ、ということを覚えて下さい。
その上で、自分の何が食い違っているのか、それは技術力の問題なのか、知識の問題なのか、を考えて下さい。
技術力不足が原因の場合
リズム感が悪いと言われる原因が、メロコアでBPMについていけずモタってしまう、ファンクでフィルイン時に2・4拍重心を見失ってしまう、などの場合、技術力の問題だと言えます。
改善への道筋ははっきりしています、繰り返し練習しましょう。
技術力不足が原因の場合、対策がわかりきっているので、あまり悩むことは無いかと思います。
知識不足が原因の場合
リズム感が悪いと言われる原因が、ジャズを1・3拍重心で演奏してしまう、レゲエで1拍目にアクセントを入れてしまう、などの場合、知識の問題だと言えます。
ジャンルへのリスペクトの無さと受け取られてしまう、繊細な問題です。
そのジャンルをよく聞き、書籍を読み、ライブを見て、理解を深めていきましょう。
知識不足が原因でリズム感が悪いと言われる場合、自覚するまでが大変です。
ジャンルの魅力をしっかり理解する必要があるので、初めは自分の何が悪いのかがわからないと思います。
そんな時、リズム感を指摘してくれる共演者はありがたい存在です。
言われて嫌な気分になったとしても、なぜ指摘しようと思ったのかを詳しく聞いてみて下さい。
相手が自分より技術的に下手だったとしても、ジャンルへの愛が本物だと思ったら、真剣に意見を聞きましょう。
きっと何らかのヒントがあると思います。
知識を蓄え続け、演奏で試行錯誤を続けていると、突然リズムが開眼するタイミングが来ます。
それまでは、答えが見えなくても、地道に努力を続けるしかありません。
もし悩み過ぎてそのジャンルが嫌いになりそうになったら、一旦離れても良いと思います。
そのジャンルが好きなら、きっとまた戻ってきます。
長期戦でいきましょう。
最後に
リズム感は努力で鍛えることが出来るものであり、リズム感が悪いと言われても絶望する必要はありません。
何故リズム感が悪いと言われたのかを分析していくと、必ず努力で改善出来る原因にたどり着きます。
そのために、録音を聞き返したり、共演者と意見交換をしたりして、自分の演奏を客観的に把握することが大切です。
近道はありません、地道に試行錯誤を続けましょう。
コメント